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3. 画像処理の理解が必要

3.2 画像の物理的な特徴を理解する


3.2.4 画像データのファイル寸法

 デジタル化した画像データは、その保存に使うメモリ空間の寸法が、文字データに比べて爆発的に大きく必要になりました。文字と画像とは別種類のデータではなく、モニタ上・プリンタ上の両方とも画像データです。ただし、文字の字形データはコンピュータ側で保存しますので、ユーザ側は文字コードをテキストファイルで編集し、それを送信するだけで済みます。日本語の漢字・仮名は2バイトのコードで参照します。ビット数では16ビットです。図形としての文字は、最小で16×16ドットの二次元並びで表します。1ドットを1ビットに対応させて図形化したモノクロ画像用のデータは、テキスト形式のファイル寸法と比べて、単純計算で16倍のファイル寸法が必要です。A4版の用紙1ページに、余白を取って日本語文字を表示すると、標準で40文字×50行詰めることができます。それを保存するテキストファイル(*.txt)の寸法は4Kバイトです。同じ文字データをワープロのファイル形式(*.doc)で保存すると、書式などの仕様を含みますので、最低でも約20 KB必要です。この、1ページ分の文字数(2K)の表示を、モノクロ図形データに変換すると、単純計算で512 KBのファイル寸法になります。カラー画像ではこの3倍になりますし、コントラスト(濃淡差の区別)を加えると、4MB前後に達する大きなファイル寸法になります。これはファイル管理上大きな負担ですので、有効なデータだけを生かす圧縮技法が研究されてきました。画像ファイルの拡張子は、(*.JPG)が良く使われています。そのような努力をしても、モニタまたはプリンタで表示するときの画像データファイルは、テキスト形式の文字バイト数の、1000倍近くの寸法に膨れ上がります。データの読み書きの時間も長くなり、電子メールなどの送受信時間に影響します。

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