図2.1 A6版のフィッシュフイルムにしたマイクロフィルム
大量の写真を撮影して利用する専門家は、写真原版となるネガフフィルムを保存します。ネガは、その一部だけしかプリントして利用しませんが、不用ネガ全体も、見て内容が分かるように密着焼きを添えて、ネガアルバムで整理します。これも、実際の保存と管理は手が掛かります。映画に使う35 mm幅のロールフィルムは、端にフィルム送りの穴が開いていて、実質的なデータ幅は24 mmです。この小さなネガから密着焼きをしたポジフィルムは、映画館の大画面に精細な映像で投影できます。したがって、非常に解像度の高いフィルムです。このフィルムを利用したのが35 mmカメラです。長手方向を35 mmで使い、フィルムの実質画面寸法は35×24 mmです。この高解像度を利用して、大きな図面などを縮小撮影して保存場所を節約する使い方がマイクロフィルムです。ポジフィルムにすると、眼で見て、何が写っているかが分かりますので、サムネイル用になります。マイクロ撮影専用のロールフィルムは、全幅を有効に使うため、送り穴がありません。さらに、ロール状ではなく、A6版のカットサイズにコマを詰めたマイクロフィッシュが使われるようにもなりました。A6版の入る封筒を使って定形郵便で郵送できる便利さがあります。筆者がA6版の寸法にこだわる理由の一つが、マイクロフィッシュの利用経験にあります。さらに、葉書を含め、A6版のカードを保存する業務用のスチール家具がありましたが、現在では見かけなくなりました。
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