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2. 実践的な資料管理

2.4 コンピュータを使わない情報整理


2.4.2 保存と閲覧とに使う入れ物

 正月に配達された年賀状は、翌年、こちらから出す年賀状の宛名書きの資料にします。枚数が100枚程度であれば、輪ゴムなどで束ね、そのまま横に寝かせて引き出しなどに保存できます。その形態を平積みと言います。和書は腰が弱いので、冊数が多いと平積み保存が効率的になりません。厚紙を表紙にして綴じれば棚にに並べる縦置きができますが、余分な製本作業が必要です。腰の強いカードをバラのまま使う資料は、手作業で順番の入れ替えができますので、内容の種類別、 ABC順またはアイウエオ順、昔は「いろは順」に並べ直して、探し易くする工夫ができます。平積み形式の束で整理すると、枚数が多い資料の探索が面倒です。穴を開けて簡単に綴ると、文字が欠ける危険があります。手作業で起こり勝ちの順番の乱れが防げますが、中身を入れ替えたいときに面倒です。そこで、実践的には、立て置きに並べて保存する箱を使い、仕切りや見出しを適当に挟むなどの工夫をします。図書館では、書物の保管場所を、著者名カード、書名カードなどに作成して保存しておく図書館用備品がありました。現在はコンピュータ化した管理になりましたが、そのカード保存用の引き出しに工夫がありました。横長向き、縦置きで使うカードの下縁に穴を開けておき、金棒を通して散逸を防ぎます。カードは、保存、差し替え、検索、閲覧に便利でしたので、必須の設備でした。この種のカード保存家具は、現在ではほとんど見なくなりました。家庭で使う種々の寸法の収納容器は、ホームセンターなどで見られるますが、数万枚のような大量のA6版カードの保存まで考えた製品は見かけません。

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