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2. 実践的な資料管理

2.3 画像データのファイル管理


2.3.1 歴史資料としての写真

 写真撮影が親しまれるようになったのは、大正の初め頃からです。感光材料に乾板を使っていた時代、プリントは密着焼きでしたので、写真の寸法は乾板の寸法で決まりました。写真機(カメラ)も蛇腹式の大きな寸法です。フィルムを使うようになって、カメラの小型化が進み、光学系を使って拡大・縮小・トリミングができるようになりました。今世紀に入って、デジタルカメラの大衆化が進み、電子化した画像処理が応用されるようになりました。大量の写真を扱うとき、写真内容の説明文書の扱いとファイル管理が課題になってきました。従来、図書館は、写真のようなバラの資料を扱いませんでした。江戸時代から明治にかけての古い写真は、点数が少なく、実物を保存してあること自体に価値があります。歴史的資料の意義が考えられるものは、一部の図書館でデジタル化して管理することも始まりました。最低限の5W1Hの情報を付けて管理をしなければなりませんので、関連のある専門家の協力が必要です。近代以降、地域ごとに、その地域の歴史を編集した資料に写真が使われ、地域の図書館に残されていることがあります。しかし、元の写真は、個人で所蔵していたこともあって、公的な施設で保存されている例は多くないようです。

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