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2. 実践的な資料管理

2.2 紙の資料の保存場所を考える


2.2.1 紙の資料に価値がある

 文書や画像を最初に作った創作物が、原理的にオリジナルです。普通は、紙の形態で表現されます。コンピュータを使って、扱い易くする電子化文書にして保存する方法が増えました。これは、眼には見えない形態ですし、保存場所の考え方も、また利用の方法も変ります。種類も部数も、大量に扱うことができますので、今や不可欠の技術です。しかし読者側は、眼で観ることが不便です。その理由の第一は、特殊な装置であるパソコンが必要になることです。第二は、モニタの表示画面が狭く、一度に多くの情報の表示には向かないことです。言わば「葦(よし)の髄(ずい)から天井のぞく」観察方法です。第三は、モニタが一過性の表示装置ですので、後から前のデータを見直したいときに、検索し直す面倒があることです。また、キーワードに不備があると、有ることが分かっている項目でも検索に掛からず、結果的に死蔵されたままになります。紙に印刷した辞典やイラスト(画像)入りの事典などは、ランダムにページを眺めることができて、新しい発見ができる楽しみがあります。関連項目が近くに並び、別ページの項目を簡単に参照できます。イラスト(画像)がある項目は、ずっと親しみが増します。百科事典(encyclopedia)、便覧(handbok)の編集は、戦後の一時期、ブームになりました。しかし、出版する側では、販売部数が減ってきて経費が嵩むことが理由で休刊が相次ぎ、電子化文書に変ったものもあります。辞書類を電卓並みに小型化した電子化製品があります。効率よく利用するときは、紙の形の辞書を使った経験が役に立っています。

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