目次ページ   前ページ   次ページ

2. 実践的な資料管理

2.1 資料の区別を三通り考える


2.1.2 一次資料と二次資料

 書店に並ぶ一般的な雑誌や書籍、各種の団体が発行している機関紙的な印刷物は、部数が多いのですが、その中身が一次資料であって、オリジナルの扱いです。日本の書物は、終わりの部分(End Matter)に奥付があります。洋書は、始めの部分 (Front Matter)に情報の記入があります。ここは、クレジットの主張をする場所です。奥付の部分をまとめて引用や紹介をしたものが二次資料です。抄録を含めることもあります。データベースや目録は、典型的な二次資料です。その作成に、あらかじめ著者側の許諾を得なくても良いとされています。参考に使った著作物の、本体(Body of Report)の、全部または部分的な引用をした中身は、オリジナルからのコピー扱いです。引用や紹介のレベルが種々あることが問題を複雑にします。画像のコピーは、画像本体と、画像に載っている対象の方の権利、例えば肖像権を、どう扱うかの問題が発生します。第三者が、著作権者の許諾を得ないでオリジナルの全部をコピーするのは、贋作であって、道義に反します。著作権法では、対価の対象にしない私的な利用に使うことは認めています。有名画家のオリジナル作品は一点しかありません。その模写は、本人が私的に作成する行動とみなして、贋作とはしません。有名画家の作品は、解説などを加えて、質のよいコピーを含めた出版があります。この全体は、オリジナルの扱いをすることがあります。一般の人はその中身を観て知識を得ますので、クレジット本体の宣伝になっています。そのコピーを作ると、元の画像からすれば、コピーのコピーです。このとき、クレジットをどのように対処させるかの問題が起きます。

前ページ   次ページ