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1. データベースの解説

1.2 データベースに関連した用語


1.2.2 データと情報の定義

 日本語で言うデータ情報とは、意義的に同じ扱いをしています。しかし、英語のdataは単数名詞datumの複数形です。collection of known facts(既知の、複数の事実の、集合)の定義があります。その中身の説明に、情感の表現を含ませない約束です。例えば、「美しい橋」のデータとは言いません。形容詞の「美しい」、が情感による選択をしたことになるからです。似たような言い方に、「歴史的」または「歴史的価値」の言い方があります。これも、どれを選択するかの情感による判断が入ります。都合の良いところだけの摘み食いもします。したがって、「明治維新から1950年代まで」のように、正確性、客観性を持たせる定義や説明を補う必要があります。一方、情報(information)は、人の情感で理解するデータ集合の意義が強く、世俗的に言う噂話や経緯などの中身です。より具体的には5W1H(what, when, where, who, why, how)、日本語で言うと、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」と報告するときの内容です。「なぜ」がありませんが、そもそも、情報を必要とする要望がそうです。「情報」の用語を最初に使ったのは、軍医でもあった森鴎外であるというのが定説になっていて、敵情報告の中二字を取ったものとされています。軍事用語では、諜報を使いました。こちらはスパイ活動と関連した、影を持つ特殊な用語です。個人情報(プライバシー的なデータ)の流出が社会的に問題になっています。これは、情報に人の情感と関わる性質があるためです。橋のデータと情報とにはプライバシーが無いと思うでしょうが、著作権などが絡みますので、かなり生臭い問題も山積しています。

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