4.2 リベット値

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 リベット1本が受け持つ強度をリベット値または鋲値と言い、リベットの呼び径を使って計算します。リベット値には支圧強とせん断強の二種類が計算できますので、どちらか低い方を採用します。この値は一定ではなく、板厚によって変ります。板厚が小さいリベット値は支圧応力度で決まり、板厚に比例して増えます。ある板厚で支圧強とせん断強とが同じになり、それより板厚が大きければ、すべてせん断強でリベット値が決まります。

 リベット継手の力学的構造では単せんと複せんを区別しますが、複せんは単せんを上下対称に使った形になり、単せんの2倍の板厚をつなぎます。リベットのせん断面が二面になりますのでせん断強は単せんの2倍です。例えば、道路橋において、SS41/SV34の組み合わせの場合、22mmのリベットに対して支圧強とせん断強とが等しくなる板厚は、工場リベットに対して

すなわち、8mmまでの板厚の重ね継手は板厚に応じた支圧強でリベット値を計算しますが、9mm以上の重ね継手は、板厚に関係なく、単せん強(この場合は4181kg)で定まります。複せんの場合、板厚が17.2mmまでは板厚に比例した支圧強でリベット値が定まり、それ以上になると複せん強(2×4181=8362kg)となり、一定値です。設計時に一々リベット値を計算するのは面倒ですので、例えば、付録Gのように数表化した資料を使います。


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