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HTML文書 作成の手引き

1. 文章原稿の作成


1.6 文章の校正は他人にも見てもらう

 作文した文書は、作者の責任で注意深く検査するのが原則です。原稿は、時間をおいて読み返すと修正したい個所が見つかります。しかし、ワープロ作業での文字入力ミスや、仮名漢字変換で起こす誤字・当て字は、第三者に見つけられるまで、当の作者では発見できないことも多いものです。筆者の文章は「です・ます」にしていますが、これには幾つかの理由があります。第一は、英文との対応を考えています。「…です」はbe動詞に当たり、「…ます」は一般動詞の文末に使います。第二は、読み上げて使うときの不自然さを避けるためです。これは、必ずしも眼の不自由な人を対象とするものではありません。このとき、「である」調は、黙読では不自然ではありませんが、声に出すと、固い言い方になります。「我が輩は猫である」は、be動詞を使う「I am a cat」に当たります。である調の場合には、一般動詞の終わりを終止形で使うことになりますが、読み上げるとぶっきらぼうに聞こえます。ファイル化した文書を音声で伝える方法も研究されるようになりました。英語の場合は、かなり古くから実用されていました。日本語文章をコンピュータが読んで、間違った読み方にならないような文章の書き方に工夫が必要になってきたことです。英語が生で入るのも困りますし、カタカナ語は元の言語を知らなければ理解できません。漢字熟語は同音意義で誤解されることも多いことと、音と訓の読み分けが必要です。そのため、第三に、なるべく和語での言い方を採用しています。これには、耳に優しく響く「ですます調」が向きます。漢字の読み誤りを避けるため、ルビに当たる入力方法の研究も必要になっています。筆者の場合には、括弧を使って読みを補う方法を採用しています。また、コンマ(読点)の適切な使い方と同時に、息継ぎの個所に半角スペースを挿入することも試しています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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