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HTML文書 作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.8 ワープロソフトの大衆化

 テキストエディタの主目的は、コンピュータプログラミングのソースコードやマニュアルを作成することに用いられました。こちらの場合には、コンピュータが理解できる記憶媒体(テキストファイルなど)に文字データを記録することが利用の主目的でした。紙に印刷することの方には重点を置きませんでした。テキストファイルは、文字コードと、単純な制御コード(空白SP・改行LF・復帰CR・タブTAB)だけで構成されます。英字だけを使う場合は、アスキーファイルと言います。テキストファイルと言うときは、日本語の2バイトコードを使うことを含みにしますので、英語専用のパソコンでは読めないことに注意が必要です。一方、1980年頃までは、日本語の印刷に使う邦文タイプライタは、一般企業では必須の事務機械でした。英文タイプライタ並みの電動化が難しかったのですが、ドットマトリックスプリンタ・マイクロコンピュータ(マイコン)・CRTキャラクタディスプレイ三つを組み合わせた、日本語ワープロ専用機が1980年代に爆発的に普及しました。ビジネス文書として使う場合、タイピング作業が少し複雑です。それは、編集用の機能をコンピュータに知らせる方法です。その方法は、キーボードに特別な入力キー(ファンクションキー)を付けること、もう一つは、例えばCTRLキーを押しながら文字キーを押す方法です。後の操作をキーボードショートカット、そのときのキー組み合わせをショートカットキーと言います。ワープロソフトは、ショートカットキーがバイナリー形式のコードでテキスト文書に書き込まれていて、そのコード仕様がワープロソフトごとに異なります。そのため、或るワープロソフトで作成したデータを別のワープロソフトでは読めない、つまりデータの互換性がありません。データ読み変えの機能は、それぞれのワープロソフトごとに充実されてきて、ユーザが困ることは少なくなりました。それでも多くの問題が残ります。これを一般的に解決する方法として、組み版言語(markup language: ML)が提案されるようになりました。この一種がHTMLタグ(tag:荷札の意味)です。HTMLファイルは、テキストエディタで開いて読めますし、編集もできます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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