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HTML文書 作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.7 小部数印刷の専門家がタイピストであったこと

 一般企業は、その企業の顔を持った、カタログなどのビジネス文書の作成が必須の業務です。これが典型的な小部数文書です。最も利用の多い文書は手紙の類です。通常は相手に渡す本体と控えのコピーを取ります。この作業に当たる専門家が、欧米ではタイピストとしての技能を持つ、多くは女性秘書です。機械的なタイプライタを使うとき、コピーはカーボン紙を挟みます。これをカーボンコピー(carbon copy)と言い、電子メールのソフトではCCとして表されている用語の原義です。機械式のタイプライタを使っていた時代は、ミスタイプをしないよう、神経を集中させることに大きな技能努力が必要でした。そのため、タイピング技能については自己流ではなく、正しい使い方の教育課程を踏まえます。手紙のような一枚もののタイピングでは、ミスタイピングによる打ち直しの手間をあまり気にしません。しかし、ページ数の多い文書をタイピングで作成するときには、校正による作業の手戻りは、時間的にも大きな損失です。この不便さを救済する革命が、電動タイプライタをマイクロコンピュータ(マイコン)で制御するテキストエディタの利用でした。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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