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HTML文書 作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.5 文書形式を無くすわけにはいかないこと

 印刷した文書を作成するとき、実際に利用する量よりも多くの部数を作成するのが普通です。その分費用が嵩み、資源の無駄使いにも繋がります。印刷した時点では利用の頻度が多いのですが、しばらくするとその頻度が減り、廃棄が進み、探しても見つからなくなります。著作物を作成して保存しておくには相応の費用が掛かります。この費用を補う方法のビジネスモデルが、従来は著作権を盾にして、印刷・出版関係で機能していました。しかし、コンピュータ関係の出版物では、書店で発売されたときに購入しておかないと、後から見たいときの手掛かりが無くります。参考文献として書いてあっても、一般図書館は、この種の印刷物を保存の対象とはしません。これを解決する方法が電子化図書です。必要なときにダウンロードして、必要な部数だけの印刷物を再現できるようにします。2010年末から話題になった電子化図書の利用は、既に紙の形で出版されている書籍の閲覧だけを考えていて、紙に印刷する再現を問題にしていません。小部数の実用文書の場合には、電子化文書を先に作成しておいて、必要な時にハードコピーに印刷する方法に移行しています。したがって、保守的ですが、印刷仕上がりの文書形式に作成する技術を弁えておくことが必要です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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