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HTML文書 作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.3 閲覧利用と印刷利用との二本立て

 文学作品の小説は、読者が頭から順に読むことが前提です。探偵小説などは、話しの展開を楽しみます。後ろの解決部分を先読みすることをしませんし、前のヒント部分を読み返すこともしません。楽しみのため二度以上読む場合であっても、謎解きの筋書きを知った上で、通して読みます。技術系の文書は、そういった利用をしません。一般的な読み物として編集したものを除き、ランダムに項目を探す利用が普通です。したがって、数ページ程度の短い文書は例外としても、目次と索引があるのが必須の条件です。もともと、インターネットの目的は、強力な検索機能を使って、膨大なデータの集合から、或るヒント(キーワード)を手掛かりにして参考事項を引き出すことにありました。つまりデータベースの利用です。最初の中は、表題・著者・発行機関・発行年の情報を得て、図書館で原典に当たりました。この情報をもう少し親切にしたものが、抄録部分も読めるようにする方法です。さらに欲張って、必要があれば全文が読めるようにしたデータベースが利用されるようになりました。学術論文のようなページ数の少ない文書がこの方法に移行して、従来からの学術誌の印刷出版を取り止めることが増えています。そうなると、読者側で、従来のような印刷形式のコピーが得られるようにする対応が必要です。これには、現在のところPDF形式のファイルでダウンロードサービスがされています。ここで注目したいことは、文書内容が、2種類以上の電子化データで利用されるようになったことです。一つは、パソコンの狭いモニター画面で閲覧するだけを目的としたもの、もう一つが印刷した方が使い勝手が良いものです。文書作成の手間から言えば、最初に印刷利用を目的とした文書を作成し、それをHTML文書に落とすことが効率的です。この報文は、その作業手順を解説することを目的としています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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