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HTML文書 作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.2 小部数印刷の需要が多いこと

 部数にして100冊前後の小部数の印刷物を作成する需要の多い環境の代表は、小中高を始めとした教育現場です。パソコンやコピー機械が普及していなかった時代、学校の先生方は、仕事の大部分が ガリ版切りと謄写版印刷でした。現代では、原稿作成がワープロになり、少し部数を多く必要とするときは、謄写版をやや高級化した軽印刷機を使います。製本も手が掛かります。自分で作業をするのは大変ですので、予算があれば、街中(まちなか)の印刷屋さんに頼みます。作業が面倒で費用のかかる印刷物にしなくても、パソコンの画面を利用することに代えることも考え付くでしょう。しかし、教育利用には何度も読み返して書き込みのできる、消耗品的に使う印刷物の形が必要です。商業印刷物としての体裁を持つ教科書・参考書・教材などの発売は、教育の公平化と教師側の負担を減らす目的意識があるのですが、一面で、検定またはそれに近い官僚的な統制に加担して、自由な発想が制限されることとの隣合わせの危険もあります。個人ベースで小部数の印刷物を作って配布したい希望を持つ人は、少なくありません。いわゆる自費出版がそうです。代表的な自費出版が自叙伝の類(たぐい)です。年配の方は、自作の短歌や俳句をまとめることを見ます。自分が書いた小説などを発表したい人も多く居て、その一つの現れが同人誌です。これらがインターネット利用の大衆化と共に、印刷利用を目的としない、閲覧利用を主目的とした多様な形態を持つようになってきました。特に、目立ちたがり屋が自己発信に使う格好のツールとして、大衆利用を受け付けるホームページにHTML文書を寄稿することが増えています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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