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EXCEL文書作成の手引き

4. シートの保護と管理


4.4 変更の利かないデモ版を作製したいとき

 エクセルで作成した文書全体をそのまま公開したいとき、第三者側での利用は、閲覧利用だけができて、データを書き換えて別の計算に利用できないようにします。これは事務処理などで、例えば見積り書や請求書を改変して利用される、などの実害防止の保護対策として重要です。教育目的に利用するときにも、デモ版としての使い方があります。データを書き換えて再現計算ができません。受講者側では、見本を見て、計算式を組み立て、それをデモ版と比較することで、計算手順を覚えます。デモ版を作製するときは、シート全体を選択し(CTRL+A)、これをコピー(Ctrl+C)ておいて、メニューから「編集→貼りつけ→形式を選択して貼り付け→値」と進めて、同じ場所に全体を上書きします。こうすると、リンク情報と埋め込んだ計算式は無くなって、その位置のセルの値が残ります。数値の書式を変えることはできます。デモ版の場合には、セルそのものの選択を全く受け付けなくする保護機能も掛けておきます。このデモ版から元の作業用版には戻る手立てはありませんが、印刷利用はできます。注意することは、原簿にする版をコピーしたファイルでデモ版に作成しないと、原簿が使えなくなります。EXCEL 2007以降のバージョンでは、左上のアイコンから「配布準備→最終版にする」の手順で処理ができるようになりました。この属性は、通常のファイルで読み取り専用に変更する属性を持たせます。この最終版を元の作業用の書き変え可能なブックに戻すことはできません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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