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EXCEL文書作成の手引き

4. シートの保護と管理


4.3 緩やかな保護機能

 エクセルの作業単位はシートです。原稿文章の作成と計算作業に当たる全体は、セルの使い方が部分的に異なりますので、複数のシートに分けて作業します。普通の文書の作成に使うWordは、印刷に使用した後で、そのファイルを別の目的にコピーして再利用することは滅多にありません。ただし、定型的な手紙は、テンプレート用にファイルに保存しておくことがあります。技術計算では、条件違いの比較計算のためにデータを書き換えることもしますし、別目的に転用することもします。基本的な機能を持ったものをプロトタイプと言います。ユーザ側で機能を追加することで、最初からの開発の手間が省けます。或る作業時点での成果品を確実に残しておき、変更を加えたコピー版と区別できるようにします。作者側でも、原簿にするバージョンは、意図しない書き換えができないようにする安全対策が必要です。エクセルの標準機能には、シートとブックの保護機能があります。保護機能を使うとき、パスワードを作者側が設定することもできて、善意の第三者であっても、保護機能を自由に解除できないようにできます。作者側は、書き換えが必要になったときに保護機能を解除できますので、これを緩やかな保護機能と言うことにします。パスワードを設定することは一長一短があります。緩やかな保護設定には、ファイル全体を読み取り専用の属性にする方法もあります。ハードウエア的なファイル保護の例は、フロッピーディスクは書き込み禁止にするライトプロテクト窓の利用があります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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