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EXCEL文書作成の手引き

4. シートの保護と管理


4.1 印刷を目的とした機能は十分でないこと

 エクセルは、表計算を主な目的とした作業用ソフトウエアです。計算結果をモニタ上で閲覧するだけでなく、別作業に利用するための手段が必要です。テキスト形式でデータをファイルに書き出すこともできます。他の数値計算のソフトウエアで数値を利用したいときは、カンマ区切りのテキストファイル形式(*.CSV)で書き出すことができます。しかし、エクセルは、見栄えのよい印刷を作成する機能は充分ではありません。例えば、シート単位で印刷ができますが、ページ番号の挿入はシートごとに1からです。複数のシートを集めたブックとしてのファイルでも、ページ番号の始めを指定して、全体を通したページ番号の挿入ができません(2011年現在)。印刷原稿を作成する作業用ツールは、ワープロであるMS-Wordが豊富な機能を持っています。こちらは文字並びの表の作成はできても、計算機能がありません。これを総合する解決法は、シート単位で印刷部分をPDF形式のファイルに変換します(ただし、EXCEL2000までは、変換機能が標準仕様にありませんでした)。Wordの原稿も含めて、複数のPDFファイルを編集する操作をします。これは、PDFファイルの編集機能を持つ別のソフトを使います。できれば、Wordの利用やPDF変換無しに、EXCELの作業環境だけで、通しの印刷用ファイルに作成できるのが望ましいところです。従来は、用紙に印刷しておいて、ゼロックスコピーとして使います。実を言うと、前の第2節と第3節で文書の書式と表計算の書式にこだわったのは、印刷のことを含みにしたからです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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