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EXCEL文書作成の手引き

3. 表計算機能を使う場合の書式


3.2 別の場所の数値をコピーするときの注意

 他の場所でデータを入力したセル、または計算して結果のセルを別の場所で利用するとき、そのセル位置を直接参照することもできますが、できれば、現在作業中の計算位置の近くにコピーしておきます。図6では、行番号18〜29の数値に応用されています。他のシートの数値を利用する場合には、印刷領域を外した作業用領域に一旦コピーしておいて、間接的にデータを利用することを勧めます。元のデータセルと引用したいセルとで、セルの形式(結合してあるセルの数など)が同じでないと、エラーが表示されるか、また、間違ったセル位置を参照することが起こります。特に、複数セルの集合をドラッグしてコピーするときに注意が必要です。別の場所にあるセルをコピーして所定の場所に貼りつけるとき、大別して、リンク貼り付けと、値の貼りつけとがあります。普通はリンク貼り付けをします。これは、数学的には代入操作です。コピーする場所のセルを選択しておいて、数式バーでイコール記号の後にコピー元のセルを指定します。そうしておくと、コピー元のセルの数値が変ると、コピーした場所のセルの数値も、これに連動して変ります。単純に編集機能を使ってコピーすると(Ctrl+C, Ctrl+Vなど)、その作業時点での数値がコピーされ、コピー元の数値の変化には対応しません。リンク貼り付けは、コピー元がコピー個所よりもページの若い方にあるように使います。後で計算される数値を参照すると、参照順がループ状になることがあります。これを循環参照と言い、特別な理由が無い限り、これが起きないようにします。この考え方が構造化プログラミングです。設計計算書の場合には、或る仮定値で計算を進めておいて、結果を見て仮定値を手作業で変更する繰り返し方法を採るのが普通です。汎用のプログラミング言語は、循環参照は繰り返し計算のループに構成し、ループから抜け出すときの条件を設定します。エクセルでも同じことをさせる方法もありますが、計算手順が複雑になります。VBA(Visual Basic for Application)を使うことができますが、計算手順がブラックボックス化し易いので、筆者は勧めません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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