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EXCEL文書文書作成の手引き

0. はじめに(introduction)


0.1 コンピュータは数値計算が目的であったこと

コンピュータの開発の経緯は、高速計算が必要になる、軍事利用を主な目的でした。一つの例は、高速で飛ぶ軍用機の位置・速度・向きをデータとして、高射砲(現代ではミサイル)の命中位置を瞬時に計算して発射させる計算です。この計算結果は、印刷に利用する必要がありません。印刷して結果を見る使い方も必要でしたが、印刷速度を上げる方が重要でしたので、見てくれの良い活版並みの印刷を工夫することができませんでした。科学技術計算に使うコンピュータ言語のFORTRANは、計算手順の組み立てが主な目的ですが、大量の計算結果の印刷が必須になる場面は多くありません。科学技術計算では、電報の送受信に使うテレタイプライタ(TTY: Tele-Typewriter)の利用でも我慢しました。一方、事務処理の計算に使いたいとして開発されたコンピュータ言語のCOBOLは、数値計算には単純な四則演算だけで十分なことが多く、当初から、書式を整えた印刷物を作成することが主な目的でした。英字は活字の種類が多くないこともあって、高速印刷には、一行単位の文字並びを一括して印刷するラインプリンタを使いました。こちらは、TTYと較べれば巨大で高価な装置です。書式(レイアウト)には幾らかの工夫もできましたが、印刷仕上がりは、活版印刷と較べれば見劣りします。この分野に革命をもたらしたのがレーザプリンタの出現と、パソコンを利用する DTP(desktop publishing)の実用化でした。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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