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5. 錯覚と錯視を避ける作図技法

5.2 隠れ線と隠れ面


5.2.2 面によって隠される線

図5.2 曲面の作図を線画で描いた例
代数式でz=f(x,y)の形で表す局面の作図例を、図5.2に示します。この図は、変数yを一定にした、z=f(x)の曲線の集合を立体的に描いたものです。この図形領域には、明示的には描きませんが、マスク曲線使います。最初は作図領域の最下段の水平線です。曲線zは、手前の変数y=0から増やすごとに向こう側に、図では上側に描きます。このとき、マスク線から下に入る線を描きません。そしてマスク線より上に出る曲線を新しいマスク線にします。これは隠れ線の作図ですが、意図しているのは帯状の曲面の隠れ面を作図して、立体的な全体曲面を表します。この図は曲線をx方向だけで描きましたが、複雑な地形図の見取り図ではy方向の曲線も加えて、メッシュ状に分割した面要素の集合を構成することも行われます。図5.2では、面の裏側も見えるように描きましたが、地形図の場合には、裏面が隠れるように周囲にスカート状の覆いを付ける作図法を使うことがあります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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