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5. 錯覚と錯視を避ける作図技法

5.1 三面図


5.1.3 展開図は第三角法の配置として利用する

 第三角方法で図5.2に示ような立法体を描くとき、六つ有る投影図の配置関係は、全体を紙の箱で作成して展開図に開く操作を考えるのが分かり易いでしょう。そうすると、正面図に、どの文字の面をどの向きにするかの選択に24通りありますので、それに合わせると図5.3の英字の向きが変わります。図5.4を見ながら英字の位置と向き求めるのは、頭の体操になるでしょう。三面図は、図5.4の展開図で、(A,D,B)または(A,B,C)の組みで構成します。図5.1の自動車の三面図は、底面図Fに当たる位置に平面図Aが使われています。身の回りにある普通の対象物では、習慣で決まる常識的な置き方があります。日常使っている小物の整理整頓をするときは、置き場所を決めて、標準的な置き方をします。小物を使った後で、こまめに元の場所に戻すことをしないと、探し物に多くの時間を取られるようになります。この混乱の一つの理由は、同じ小物であっても、見え方が24通りも変化するからです。これも錯視による混乱と言うことができるでしょう。

図5.4 見取り図の作成では正面図に置く文字の選択で24通りある
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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