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4. 製図教育の視点

4.5 デジタル化した図形データの知識


4.5.1 画像の精細度、解像度、画素数の理解

 用紙に手描きで作図することに代えて、CADソフトの利用が普通になりました。この処理は、モニタを前にして擬似的な作図作業をして、デジタル化したデータを作成してから、間接的に用紙に描き出します。このとき、既に作成済みの図形データの貼りつけもします。デジタル写真を利用することもできるようになりました。手描きで作成した図をスキャナで読み取って、それに修正を加えることもします。この段階の処理は、文書作成作業での、編集・割り付け・校正に当たります。図形データは、ドットを方眼状に並べたドットマトリックス(dot matrix)の情報です。このドット単位をピクセル(pixel:画素)と言います。用紙上では、単位幅当たり何本までの線(または点)を区別できるかを精細度と言い、例えば「ミリ10本」の言い方があります。モニタの場合には、画面寸法が種々ありますので、ドットの言い方ではなく、解像度で言う約束です。標準的な画面は、横位置で使うA4版の用紙寸法に相当します。この寸法を、初期のモニタの解像度(640×480)で表示させると、ドット密度は見掛け上、約75 DPIに相当し、全体のピクセル数は307200です。略した言い方として300 K、または30万です。デジタルカメラの性能を言うとき、CCD素子(Charge Coupled Device Image Sensor)の画素数を、例えば30万画素のように言います。これはモニタの解像度を言うときと同じ縦横画素数の積を言います。A4版の用紙寸法の画像データを300 DPIの精細度のカラープリンタで得ようとすると、約(3500×2500)のドット数ですので、これを撮影するデジタルカメラの画素数は、875万である必要があります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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