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4. 製図教育の視点

4.3 線が指示する場所の問題


4.3.2 板の重なりを描く場合

図4.4 階段状の図形と、その正面図の種類
 図4.4の上段に示す階段状構造の二つの見取り図は、左が二枚の板を重ねている図を表し、右は厚板から部分的に削り取って段にした形を表しています。これを正投影法で断面方向から作図した図を、図4.2の下段に示してあります。形状を表す線は、「日」の字の図形です。ここで、全体の外形線を、対象物の形状を正確に表そうとして、線の太さを考えるとします。図Aは、二枚の板の組みであることを示すため、「日」の字の横棒を2本描き、その間に僅かの隙間を空けます。図Bでは、下に来る断面図形だけを描いたものです。普通の作図は、作図線の太さの中央が構造線になるように描きます(c)。そうすると、正面図だけでは構造の詳細が分かりませんので、側面図で補い、さらに個別に材料寸法を書けば、紛れを避けることができます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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