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3. 寸法と尺度

3.4 寸法の記入


3.4.5 寸法の重複記入をしない

 或る対象物の図面を作成するときは、全体または全景が分かるような尺度の小さな(縮尺)図面から始め、細部が分かるような、尺度の大きくなる順に複数の図面の組みで扱います。図の名称は、一般図から詳細図へ、管理目的では計画図・設計図・製作図の順になります。それぞれに目的を持たせて必要充分の情報を記入し、その目的に合わせた寸法が記入されます。製作図の段階では、製作場所で図面を見る使い方をしますので、製作単位ごとに独立した図面にします。混乱しないように、対象としている作業と関係のない図を描きません。どれが必要か、どれを省くかの選択ができるようになるには、経験が必要です。デスクワークだけで仕事をしていると、一寸した装飾的なイラストや漫画的な描き込みをするのも見掛けますが、かえって技術力の未熟さを表すことになります。実物の寸法検査をするとき、図面と較べて、検査済みの数値にチェックを書き込むことを考えて、寸法や図形の重複記入を省きます。別の図面の数値を参照しなければならないようにするのが原則です。図面を部分的に切り取るか、大きな図面を複数の用紙に分けて複写することもありますので、図面用紙全体の外郭線を省きません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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