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3. 寸法と尺度

3.2 寸法単位利用の変遷


3.2.2 フィート系の寸法扱いに混乱がある

 英米では、日常生活の単位系にメートル法の適用を法律で義務化しませんでした。そのため、英米の製品と関連を持つ場合、そのままの単位表示も使いますが、日本では表立ってインチやフィートの表示を使うことをしないことで、混乱も起こります。とりわけ、アメリカ主導型になるコンピュータ関連で多く眼にします。フィートやインチの表示をメートル系に換算して表示することは、日本の法律を順守するとして、正義感で正当化を言う人もいます。しかし、一つの妥協の方法は、これを呼び寸法の単位として日常の用語として使います。例えば、テレビの画面の寸法を16型のように言うのがそうです。スポーツや芸術の分野にまで法律を当てはめると、行き過ぎや、滑稽に見えることがあります。例えば、ゴルフコースの長さを言うとき、一時期、ヤード表示に代えてメートル表示にしたことがありましたが、評判が悪く、結局、元からのヤードで言うように戻りました。米英技術の導入の時代、フィート単位で描かれた図面は、フィートと尺とがほぼ同寸法ですので、職人さんレベルでは寸法を感覚的に容易に理解することができました。旧丸ビルの高さは100尺、のように言いました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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