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3. 寸法と尺度

3.1 長さの計測と規格化


3.1.6 寸法の大小標準は等比数列に決める

 実用的に寸法の大小を言うとき、「一回り大きい・小さい」の表現を使いますが、数学的に決めるときは等差数列ではなく、等比数列を採用します。工学的に決めるときは、さらに数の丸めを加えます。用紙寸法の辺長で言うと、ISOのA列、B列を混合して扱っても、大小順は2の4乗根(1.19)、約2割の増減で並びます。JISのB列規格を使うと、この比率が整合しません。コピー器械で拡大または縮小の複写をするとき、A列B列間の倍率の数値は、日本用紙用と国際用紙用とは異なるのです。等比数列群の数値の決め方には、「JISZ 8601 標準数」があります。製図では、尺度数値の選択、線の太・細の選択、また、文字寸法の大・小を決めるとき参考にしています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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