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3. 寸法と尺度

3.1 長さの計測と規格化


3.1.2 寸法単位は人の体を基準に決めたこと

 長さは、古くから、人の体の寸法を基準にした単位で測ってきました。は、腕の長さが基準になっていて、折りたたみができる物差しの使い方をしています。手の指幅は、並べて使う物差しに使いました。長い矢の長さを、古書では十三束(ゾク)三束(ツカ)のように言うのを見ます。前の束は、親指を除く手で握る幅、後ろの束は指幅を言います。英米では、足の長さを単位にしたフィートと、手の親指幅を言うインチを使う違いがあるのですが、尺ととに対応しています。日本では数の単位を十進で区切るので1尺は10寸です。インチの場合には12インチで1フィートです。また、1インチ以下の寸法を表すとき、3/8インチのように、二進数(2,4,8,16…)を分母に使った分数表示は、日本の習慣にはありませんでした。長い長さは、日本では尺の倍数単位に、一間=六尺、一町(丁とも書きます)=六十間ですので、6の倍数も使います。英米でも1ヤードは3フィート、さらに、倍の6フィートは日常的に使い易い長さを区切る単位に使います。日本の畳の呼び寸法は3尺×6尺です。これは、人ひとりが寝る広さの標準寸法です。長い距離を測る単位は、日本では1(り)=36町≒4kmが使われていました。英米では、ラテン語の千を意味するマイル(mile:哩の字を当てます)の単位を使います。これは、2歩の幅(複歩)で勘定した1000歩の距離の意義があって、約1.6kmです。正確には、1マイル=1760ヤード=5280フィートと定義されています。この数は中途半端です。先に1000歩の距離があって、それをヤードで計測して決めたようです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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