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2. 作図と製図

2.8 陰影の付け方


2.8.1 陰と影とを区別する

 製図の描き方の規格では認めていませんが、平面的に描かれた図形を見て、立体的な形状に理解させる作図方法の一つに陰影法(shading)があります。日本語では一つの熟語として陰影と言います。しかし、和語の読みは、二つの漢字を共に(かげ)と言います。英語では陰をshade、影がshadowであって、物理的には原理が異なります。どちらも、光が当たることによってできる「明るさ・暗さ」の区別のうち、暗さの方を言う言葉です。陰の方は、見ている対象物本体の方の暗さを言います。影は、対象物に対して光源と反対側に在る、別の対象物の方の暗さを言います。作図の技法として、立体的な性質を分かり易く見せる見取り図(スケッチ)に、或るレベルの明るさ、または暗さの区別(明暗度:コントラスト)を付けます。これが陰影法です。光の当たる側も当たらない側も対象です。影の場合には、暗さのレベルを区別しません。投影法と言うときは、影の方の輪郭図形を指します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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