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2. 作図と製図

2.3 投影原理と作図データ


2.3.2 データを共有するCADとCAM

 コンピュータを利用して、線図を主体とした設計図をプロッタ (plotter)に描かせるときのデータと、同じくコンピュータ制御の工作機械で、工具の移動に使うデータとは、共通に使うことが多くなります。独立には、前者の技術をCADD(computer-aided design and drawing)、後者をCAM(computer-aided manufacturing)と言います。小単位の器械成品などは、設計から製作までの作業を一続きで処理し、上に挙げた製作図を改めて描くことを省くこともできるようになりました。それを表す用語が、スラッシュで結んだCAD/CAMです。市販のCADのソフトウエアは、computer-aided drawingのツールであって、designの意義を持たない、言わば、お絵描きツールです。こちらの方は、計画や設計段階での需要が多く、何を作成するかが分かる管理目的の設計図や、一般的な理解に役立つイラストの作成に多く利用されています。特に、テクニカルイラストレーション(technical illustration)は、自動車の構造を説明する図などに良く見られるようになりました。この作成は、CADのツールが利用されますが、それにもまして、イラストレータの個性的な技能が作品としての評価を高めます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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