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2. 作図と製図

2.2 印刷と複写


2.2.6 再現性の機能が重要であること

 手を使う作図は、同じ図柄であっても、厳密に見れば、二つとして同じものの作図ができません。プログラミング言語を使ってコンピュータで作図装置に描かせる場合は、何度でも同じ図が得られます。コピーは一種の再現処理ですが、それとは違う概念ですので、再現性がある、と言うことにします。図の修正が必要であるときは、言語の一部を書き換えることで対応できます。対話型(インタラクティブ)の環境で、一過性のグラフィックスソフトを使うと、図の修正ができません。油絵を描く場合には、上から別の絵の具で描けば修正ができます。paint系のグラフィックスソフトは、その様な操作ができますが、draw系のソフトは、この修正が大変です。CADのソフトウエアは、線図を主に扱います。そのため、インタラクティブな製図作業の裏で、作図手順をグラフィックス言語に直してファイルに記録するようになっています。コピーを取るように、全体図面を再現して描かせることもできますし、修正が必要になる個所は、手順の一部を書き換えることで対応できることが重要な機能になっています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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