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1. 土木製図基準制定と改訂の経緯

1.2 標準化の基本的な考え方


1.2.7 画像のデジタル化による影響

 図面は、橋梁構造物で考えれば理解できるように、設計・製作に利用すると共に、管理の目的のためアーカイブとして保存する必要があります。元の図面で残すこともしますが、従来からマイクロフイルム (microfilm)に撮影して保存することが行われてきました。銀塩のマイクロフイルムは、ほぼ百年の歴史がありますので、現状では最も信頼性の高い保存媒体です。画像のデジタル化技術が進歩してきましたので、図面を高密度の記憶媒体に保存する方法が普及してきました。用紙寸法の大きな図面のデジタルデータは、ファイルの寸法が大きくなりますので、縮小撮影と同じように、データ量を圧縮する技術も研究されています。単純に縮小データにするときは、ピクセルデータの並びを間引くのですが、そうすると、細い線のデータが切れ切れになり、元の寸法に再現しても、図面として判読できなくなります。電子化ファイルは、記録装置と記録媒体の仕様が目まぐるしく変りますので、歴史の評価に耐える信頼できる保存媒体は、未だありません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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