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1. 土木製図基準制定と改訂の経緯

1.2 標準化の基本的な考え方


1.2.5 尺度表示法に混乱があったこと

 製図法は、企業ごとに、作図と、それを利用する現場の長年の習慣があります。この中で、尺度表示法は、二転三転しました。最初の土木製図基準 (1954)では、分数表示が決められていて、行数を節約するときはスラッシュ(/)を使い、例えば1/100のようにも書きました。1967年の改訂のとき、ドイツ風の尺度表示法である、コロン(:)を使う表記法、例えば1:100の書き方に変更しました。これは多くの企業現場には評判の悪いものでした。そのため、1976年の改訂では、元の分数表示に戻りました。JISの製図規格体系の大幅な改訂は1984年です。ISOとの整合性を図るため、尺度表示はコロンを採用する表記法になりました。これを受けて、土木の製図基準も平成元年(1989年)の改訂のときに再びコロンを使う表記法に戻されました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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