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1. 土木製図基準制定と改訂の経緯

1.1 公文書としての図面


1.1.6 JISの規格構成は細則の集合になっていること

 製図の約束は、専門ごとに固有の方式や習慣がありますので、すべてを網羅するように一つの規格を提案することは不可能です。そのため、全体についての趣旨と概要がJIS Z8310製図総則にまとめられ、専門ごとに、例えば土木製図通則・建築製図通則などがあり、さらに多くの個別の項目、例えば、尺度、文字、線など、があります(表1.1)。しかし、実務では、規格化されていない習慣的な規則も必要です。これらを集めて総合化すると、参考書としては見通しの悪い文書の集合になります。実用的には、規則の条文だけをまとめたものと、別冊として、マニュアル・手引き・ハンドブック・参考書・教科書などが必要です。出版物としての土木製図基準は、その全部を意識したものです。通常、規格は、法律文書と同じように、条文だけが意義を持ちます。それでは理解が難しいので、土木製図基準は、解説を加え、例図を添付し、また、目次と索引とを付けて、参考書、また、教科書としての利用ができる、欲張った編集です。官公庁などが計画する土木構造物の設計仕様書をまとめるときは、この土木製図基準の条文を利用することを謳えば、間接的ながら、JIS規格を遵守することになる、と解釈させています。
表1.1 製図に関係するJIS規格(2011年)

規格番号

規格名称の要旨

規格番号

規格名称の要旨

JISZ8310

製図総則

JISZ8315-1

投影法─通則
 ─── 正投影法
 ─── 軸側投影
 ─── 透視投影

JISZ8311

製図用紙のサイズ及び図面の様式

JISZ8315-2

JISZ8312

表示の一般原則─線の基本原則

JISZ8315-3

JISZ8313-0

文字─通則
 ── 英数字
 ── 仮名と漢字
 ── ギリシャ文字
 ── CAD用文字

JISZ8315-4

JISZ8313-1

JISZ8316

図形の表し方

JISZ8313-10

JISZ8114

製図用語

JISZ8313-2

JISA0101

土木製図通則

JISZ8313-5

JISA0150

建築製図通則

JISZ8314

尺度

JISB0001

機械製図

備考:製図に関連した規格には多くの種類があります。上の項目は参考として見て下さい
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科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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