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1. 土木製図基準制定と改訂の経緯

1.1 公文書としての図面


1.1.5 ISOとの整合性を図るのにさらに20年を要したこと

 昭和42年(1967)、菊池洋一委員長の下に土木製図基準の大改定が行われました。このとき、主として参考にしたのはDIN(ドイツ規格)とANSI(アメリカ規格)です。日本においては、両方の製図法が混在して実用されていましたので、そのどちらの利用者にも納得できる解決方法が必要でした。これは、いみじくも、一種の国際整合化の作業でもありました。現実にISOが製図の国際整合化の作業を始めたのは昭和52年(1977)からであり、JISがISOとの整合化作業に一つの区切りを付けたのは昭和59年(1984)です。昭和42年(1967)の土木製図基準の改訂は、結果的にISOが提案する規格をほとんど同じ思想でまとめた先駆的な基準でした。この基準は、土木技術関係で内部的な仕様作成のときに使う実務的な性格の文書です。国家規格としての性格に反映させるための、土木製図通則(JIS A0101)の全面的な改訂作業は、さらに遅れて、平成6年(1994)に行われました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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