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24. 幾何の計算に使うプログラミング

24.5 Visual Basicを使うプログラミング


24.5.2 オブジェクト指向プログラミングとは

 オペレーティングシステムがDOSの時代のコンピュータは、処理の結果を文字にして書き出す命令文(WRITE文またはPRINT文など)の機能が限定的でした。これはハードウエアに依存するのですが、多くのプログラミング言語では標準入出力文として使うことができました。Windowsの環境になって、すべてのハードウエアがらみの制御は、一旦モニタ上に表示する擬似的な装置(オブジェクト)を利用する間接的な手続きを介して、実体のある装置を制御する形になりました。図24.1がその一例です。そうすると、モニタにオブジェクトの図柄を表示して、それを使うときの命令語(メソッドと言います)でプログラミングすることになりました。これは、今までのプログラミングコードの作文の他に、オブジェクト作成と制御用のプログラム単位を別に追加しなければなりません。この部分をオブジェクト指向プログラミングと言います。Visual Basicの場合には、このプログラム単位をフォームモジュールと言います。従来使っていたプログラム文単位を標準モジュールと区別するようになりました。どちらも、中身はテキストファイルですが、拡張子で区別します。フォームモジュールの構文は、システムの機能を利用する特殊な文法になっていますので、Visual BasicのIDEは、ユーザが直接に作文することができないようにコード表示を隠し、GUIの環境で図形(オブジェクト)の設計ができるようになっています。したがって、PC98時代のBASICプログラム文の資産を利用したいときは、一部のコードの書き換えは必要ですが、大部分を標準モジュールとして生かし、フォームモジュールを別に作成することになります。オブジェクトの種類と機能が多彩ですので、Visual Basicの参考書は殆どがフォームモジュールの説明に費やされ、本来のプログラミング技法の勉強の目的には向かなくなりました。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

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