目次ページ  前ページ   次ページ

24. 幾何の計算に使うプログラミング

24.3 インタフェースの考え方


24.3.2 グラフィックスツールは必須であること

 科学技術処理のデータ作成の中で、説明用に幾何学的製図技法でイラストを作成する需要が多くあります。これが非常に手間がかかりますし、技能が要求されます。図工と言う専門技術を持つ職業があり、専門的な養成をする専門学校もありました。現在では、CADの技能者に当たります。マイコンは、コンピュータグラフィックスを身近に楽しむことができましたが、その画像を、レポートのイラストに使うことは、殆どできませんでした。レーザプリンタやインクジェットプリンタが手軽に利用できなかった時代は、プロッタは特殊な装置でした。CRT上の一過性の画像をハードコピーに取るには、写真に撮影する、などの特別な手間が必要でした。つまり、グラフィックスツールは、ソフトウエアを含めて、大衆向けの手軽な装置ではありませんでした。現在はCADのツールや各種のグラフィックスソフトが使えますので、状況は改善されたと思うでしょうが、インタフェースの考え方に大きな穴があります。それは、図形を座標のデータを元にして描くプログラミング技法です。念のため、上記のソフト類の説明書で、目次や索引に座標のキーワードが在るかどうかを確かめて見て下さい。座標を使う作図法は、図形をプログラムで作成するときに利用しますので、インタラクティブなお絵かきツールでは扱いません。そして、この部分を便利にしておかないと、計算幾何学は全く使い物にならない学問になります。事務処理関係では、MS-EXCELの中で使えるビジネスグラフが便利になりました。このツールは、座標数値に変えて、エクセルが作成して表の数値を使って、折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなどを描いてくれます。この便利さが受けて、科学技術計算にもMS-EXCELを利用する場面が多くなりました。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ