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24. 幾何の計算に使うプログラミング

24.3 インタフェースの考え方


24.3.1 原稿作成と清書の過程があること

 教育現場では、生徒側が、見てくれの良い文書類を作成して評価をしてもらう科目といえば、お習字と図画くらいしかありません。自分が後で参考にするようなノートの書き方を、正式に習うことはありません。昔風の人は、克明な記録をすることを教養の一つと考えていました。欧米の大学教育では、実用文書のまとめ方をtechnical writingと言い、必修の教養科目に位置づけられています。多くの母国語を持った人の集合で、コミュニケーションを成り立たせるには、両者が共通に理解できる媒体である統一的な文書を作成する技能習得が欠かせないからです。しかし、日本の大学教育では、殆ど正式に扱われていませんので、論文をまとめるとき、また、レポートを書く段になって、教養のなさで恥をかく人が増えました。事務処理関係の文書作成では、簿記のように最初から清書のスタイルが決まっていて、定型的な作業も多く、同じ作業を複数の人で分業することができます。科学技術関係の開発研究では、形式を整えたレポートの作成の前段階に、データを準備する作業と、それを選択して原稿の筋書きを作る作業があります。機械的に分業で処理するのではなく、作業する人の個性が反映します。これは事務処理にも必要ですが、強いて言えば、ライン側ではなく、スタッフ側の作業です。コンピュータを使う環境では、文書も電気信号を利用するデータの位置づけにします。或る装置から別の装置にデータを伝える概念をインタフェースと言い、具体的な部品の代表がコードとコネクタのセットです。人と人、人と装置間のデータの動きにも、概念としてインタフェース(interface)と使うようになりました。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

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