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24. 幾何の計算に使うプログラミング

24.2 プログラミング言語の習得


24.2.3 グラフィックスが使える環境はさらに特殊であること

 パソコンのモニタは、コンピュータシステムからユーザに通知する、印刷するまでもない一過性の情報を表示することが目的です。特に、コンソールで出力する不必要な用紙の印刷を節約することが、当初の目的でした。文字表示専用のモニタはキャラクタディスプレイと言います。アナログテレビの画像表示方法(NTSC方式)であると、文字の解像度(resolution)が低いので、特別に解像度の高い640×480ピクセル表示のモニタが開発されました。この解像度は、グラフィックスの表示に使っても、実用上十分な観賞に使えますので、カラーCRTの利用と相まって、コンピュータグラフィックスのブームに火をつけました。横方向の解像度640は、標準的な英文タイプライタの英字一行分、80文字を表示できることが考慮されたものです。この解像度は年々細密になって、横方向に2倍、1280ピクセルが表示できるようにもなり、多種類のフォントが使えるようになりました。しかし、640ピクセルを使うとした画像データを表示すると、モニタ寸法の半分に小さく表示されます。逆に1280ピクセル全幅で準備した画像を640ピクセルのモニタで見ると、半分欠ける表示になる不都合なことも起こります。自前でグラフィックスを作成してデータを保存し、別目的に利用するとき、グラフィックス装置の機能と特徴を弁えておく必要があります。グラフィックスデータをレーザプリンタ、またはインクジェットプリンタに出力するとき、プリンタ側の解像度は、ピクセル数に代えて1インチ当たりのドット密度(dpi:dots per inch)で言う習慣になっています。640ピクセル幅のモニタは、ドット密度では、約80 dpi相当です。ドットインパクトプリンタでは約150 dpi、レーザプリンタでは300 dpi以上が採用されています。モニタの画像をそのままピクセルデータとして保存し、単純にプリンタなどに出力すると、WYSIWYGになりません。この解決方法の説明は、かなり専門的になりますが、ここでは深入りしません。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

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