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23 道具としてのコンピュータ

23.4 基本的な技能


23.4.1 道具の機能と特徴を知ること

 道具は、目的とする機能と、同じ様に見える同種の道具ごとの特徴とを知って使い分けます。大工さんが道具を場面に応じて使い分けることがそうです。一つの道具で多目的に使い分ける器用さも必要でしょうが、プロフェッショナルな感覚では、案外なことに外見(そとみ)には不器用な使い方をします。例えば、ゴルフのクラブも、多種類の番手を使い分けますし、さらに、使う本人に合わせた調整(カスタマイズ)もします。他人の道具は使いませんし、他人に貸すこともしません。パソコンも道具です。販売戦略からは多機能の製品を掲げますが、自分流の環境に合わせて購入し、さらに自分流に調整します。パーソナルの言葉が、その意味を含んでいます。一台のパソコンを複数の人(ユーザ)が共有し、種々の仕事に使い分けることも便利になりました。しかし、共有利用は別の問題を起こしますので、利用目的に合わせて、搭載するソフトウエアを制限した、機能別に複数の専用パソコンを使い分けることも必要になっています。パソコンの種類が豊富になりましたので、自分用に合わせる選択範囲が広くなりました。もともと、コンピュータは、科学技術計算用と事務計算用と区別をしました。販売戦略からは事務処理の需要の方が圧倒的に多くなりましたが、選択自由度の範囲はそれほど広くはなっていません。高速で大量の数値計算を目的とする方は、スーパーコンピュータと区別して言いますが、国策的な補助を受けないと維持できなくなっています。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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