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23 道具としてのコンピュータ

23.3 ユーザインタフェース


23.3.5 定義と宣言とを区別して理解すること

 コンピュータを人並みに扱うように擬人化して仕事をしてもらうと考えることは、objectに物も人も含む英語の発想では自然です。人に仕事を依頼するには、すべて文書(プログラミング言語)で指示します。コンピュータ側にも都合がありますので、ユーザとコンピュータと双方が理解できる約束を最初に決めます。これが定義です。具体的な例を挙げると、数は型で区別する実数と整数とを扱うこと・その表し方はビット並びの構造であること・複数の数の集まりを配列で表せること、などです。この定義を踏まえて、実際のデータの入れ物を内部メモリに作成します。その方法が宣言です。このときに、具体的に名前をユーザ側で決めます。パソコンのモニタ上には種々の図形を扱いますが、あらかじめコンピュータ側で準備できる図形の定義があります。これが総称としてのオブジェクトです。個別には種々の分類名が使われます。ユーザは、システム側(コンピュータ側)に依頼してオブジェクトを指定し、名前を付けること(宣言)でオブジェクトの実体データがメモリ上に準備されます。システム側に定義のないオブジェクトは、ユーザが自前で定義を決め、相応の実数や整数の集合を宣言します。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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