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23 道具としてのコンピュータ

23.3 ユーザインタフェース


23.3.2 コンピュータはシミュレータになったこと

図23.3 電卓のシミュレータのフォームとキーなどのオブジェクト
 コンピュータは、軍事利用の高速数値計算を目的として開発されましたので、事務処理用のワープロや、ゲームなどにマイコンを使うことを低位に見ていた時代がありました。マイコンの性能が大型コンピュータに追いついてきた現在のパソコンは、計算装置と言うよりは、擬似装置(シミュレータ)としての機能になってきました。グラフィックスモニター上に個別の装置や部品の絵柄を表示して、それを擬似的に操作しながら作業を進めます。この装置や道具のことを、オブジェクト(object:物の意味です)と言うようになりました。典型的なシミュレータの例は、電卓のソフトウエアです(図23.3)。普通の電卓の使い方を知っていれば、モニタに表示されている擬似的な電卓の使い方は直ぐに理解できます。当初、GUI(graphical user interface)の格好のプログラミングの例題として電卓のシミュレータが作成されました。その図柄の作成と、ボタンなどを擬似的に操作する方法をプログラミングすることを、英語でobject oriented programmingと言います。日本語に訳し難く、orientedの個所を指向に直しただけのカタカナ語、オブジェクト指向プログラミングが氾濫するようになりました。コンピュータ辞書を見ても、納得の行く説明は殆ど得られません。これは、和語(日本語)と英語または漢語とで、言語の性格の違いから来る理解方法が異なるためです。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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