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23 道具としてのコンピュータ

23.3 ユーザインタフェース


23.3.1 道具の集まりをシステム化すること

 パソコン(パーソナルコンピュータ)を一つの道具とみなして、これをどのように使うかの技能技法とを含めた用語を、ユーザインタフェース(user interface)とくくるようになりました。コンピュータの心臓部は計算機能を持ちますが、実体は小さなチップ(中央演算処理装置:CPU)であって、その動作を眼で直接確認することができません。データを入力し、結果を得る付属の道具類を周辺装置(デバイス)と総称します。この全体は、単純な道具の寄せ集めではなく、相互に機能の分担をするように組み合わせますので、この全体をシステム(組織の意)と呼びます。ホビー用にマイクロコンピュータ(マイコン)が普及した時代、子供にせがまれてマイコンを買わされる親が面食らったのは、訳の判らない付属品も結構な値段であったことです。現在のモバイルパソコンは一体型になってコンパクトになりましたが、スキャナ・プリンタ・外付けメモリなどの装置を付属させて使うとなると、かなりの出費が必要です。装置が増えると、それを総合して使いこなすことになります。限られた利用を目的とした単能の道具よりも、応用範囲が広い多能な道具の方が便利と考え易いのですが、場面に合わせて機能を使いこなすには、個別に技能と技法とを理解しなければなりません。パソコンは、多くのユーザの希望に沿うように多機能を目指す改良が進んできましたので、目的に合わせた使い方、つまり、ユーザインタフェースが複雑になってきました。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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