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23 道具としてのコンピュータ

23.2 用語の知識


23.2.3 辞書には二つの種類があること

 コンピュータの勉強には、何がしかのコンピュータ用語辞典が必要です。多くの参考書は、その参考書に出てくる用語に限って説明すればよいので、索引を付けて辞書に代える案内をします。本文の中で用語を説明するのが常道ですが、丁寧な参考書では用語説明(glossary)を付録として別にまとめます。用語説明を独立させたものも、日本語では辞書とくくりますが、区別するため、辞典事典と分けることがあります。発音が同じですので、「ことばてん・ことてん」と説明することがあります。普通の英和・和英辞書は辞典(dictionary)の方であって、一対一の言葉の対訳を付けます。コンピュータ辞書は、専門用語を扱いますので、事典の性格を持たせます。英語版のコンピュータ辞書はglossaryの性格があります。これを、そのまま日本語に訳す形の辞書が多いのですが、英語の環境での常識が日本語の環境と整合しない用語は、どうしても説明が足りなくて、理解し難いことが起こります。英字綴りのコンピュータ用語は、さらに二種類に分けて考えると良いでしょう。一つは、コンピュータ各部の名称や仕組みなどを人に説明するときの言葉です。この種の事典は、各国語ごとに翻訳して編集されます。一方、コンピュータを擬人化して、コンピュータに語りかけて理解してもらう言葉があります。その代表がプログラミング言語です。短い命令語単位の言葉をコマンド(command)と言います。こちらは、人工言語の性格があって、ユーザ側で適当に約束して造語できますので、普通、コンピュータ辞書には載りません。また、元のスペルのまま使います。英字綴りのコマンドを覚えなくてもユーザがコンピュータを使えるようにする努力の一つが、アイコンマウスクリックするユーザインタフェースです。コマンドの説明綴り(日本語も英語もあります)を表示したメニューをクリックする方法も使います。このとき、そのコマンドが、一体何をするプログラムを表すかが判らないことも多くなりました。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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