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23 道具としてのコンピュータ

23.2 用語の知識


23.2.2 漢字も外来語であること

 漢字は、日本語を構成する単語として普通に使いますが、元はと言えば中国から伝えられた外来語であって、日本古来の和語とは異質の言葉と発音を持っています。和語の代表は動詞と形容詞に見られます。外来語は、日本語の環境ではすべて名詞扱いをします。和語は、抽象的な意味を表す語彙が少ないので、漢字を組み合わせた熟語を使います。かなりの熟語は中国の古典を利用しますが、日本で造語された用語も少なくありません。したがって、和語としての意味の解説が必要になります。大部分の日本語辞書がそうなっています。しかし、例えば、「落馬:馬に乗っている人が落ちること」との説明を素直に理解できるでしょうか? 中国語流の理解は、馬の方が崖などから落ちる、または落とす意義になり、それとは違うので日本語の辞書に載るのです。これは、日本語の語順が主語・目的語・動詞(SOV)であるのに対して、中国語と英語とは(SVOであることと関係があります。日本語の発音の種類は少ないので、同音異義語も多くなります。声に出して伝えると間違って理解されることもありますので、和語に分解して言い換えることもします。その結果、話し言葉と書き言葉とが同じにならず、使い分けなければなりません。漢字を当てて眼で見て意味を正確に伝える方法は良いことも少なくありません。コンピュータ側に理解させる英字綴りでは、大文字と小文字とを別の文字とする使い方が増えています。その様に作文された文書を人が利用するときは、眼で見て文字種を確認しながら読みます。表記されている記号的な文字を別の言葉に言い換えで発音することもあります。
2009.11 橋梁&都市PROJECT

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