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21. 代数学的図形の計量と作図

21.4 時系列データの変換


21.4.5 フーリエ解析の応用課題が振動解析である

 高速フーリエ変換が実用レベルで利用できるようになった次の課題は、解析に載せるデータを準備することと、スペクトル解析の結果を判断する考え方です。データは、対象とする事象の測定作業から得ますので、専門ごとに固有です。筆者の場合には、構造物、特に、橋梁の振動現象のデータを解析しています。橋梁振動は、橋梁の現地に出かけていって測定しなければなりませんので、制約も多く、データ収集の機会は多くありません。また、全国的に見ても、振動の研究者の数は多くありません。日本全国では、橋長が2m(1間)以上の橋が67万箇所(2007年時)在るそうです。桁単位で積算すると、一説では300万橋あると言われています。筆者の考え方は、橋梁構造物の振動測定と解析とから、対象橋梁の健全さと安全性とを確認する方向に応用することです。数をこなすには、大衆化した経済的なシステムを提案し、多くの人の協力を得たいと考えています。
2009.9 橋梁&都市PROJECT

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