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21. 代数学的図形の計量と作図

21.2 代数学的な図形


21.2.2 一般的なグラフは時系列と考える

 一価関数y=f(x)の形で、x軸方向が時間、または時間に置き換えて扱うことができる事象を時系列(time process)と言います。時間を区切って離散的に並べた数列でデータを扱いますので、データは級数の意味を持たせたtime seriesと言います。一定時間間隔でデータが並ぶと、時間軸のデータを省くことができて扱い易くなります。観察事象によっては不等間隔に並んだ極値で得られることもあります。この場合は、一定間隔のデータに切り直す予備処理をすることがあります。飛び飛びの座標値から中間の値を求める方法を内挿法または補間法(interpolate)と言います。直線補間が最も単純ですが、実用的な曲線補間はスプラインが使われます。時系列データは、最初から数値の組として与えられる場合と、物理的な計測装置で得られた事象を、数値化して得る場合とがあります。後者の場合、電気・機械的な記録計を使い、オシログラムのような波形データ(オシログラフは装置を言います)を読み取って数値化する手間が余分に掛かります。デジタル技術が未発達の時代は、電気信号のままで計算処理をするアナログ計算機も利用されました。グラフで描かれた現象の波形記録から座標数値を読み取る装置がデジタイザ開発の出発です。波形に描かせて、あらためてその波形を読み取ることは二度手間です。そこで、デジタル記録と読み出しが電気・機械的にできる媒体として、初期には電信の送受信に使う鑽孔紙テープを利用しました。しかし、早い振動現象などは鑽孔速度が追いつきませんので、デジタイザも必要でした。電信機は、コンピュータとの交信に利用され、鑽孔テープは、カード・種々のディスク・フラッシュメモリの利用、のように進んできたわけです。
2009.9 橋梁&都市PROJECT

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