目次ページ  前ページ   次ページ

21. 代数学的図形の計量と作図

21.2 代数学的な図形


21.2.1 図形に接する態度に区別があること

 平面的な広がりを持つ図形の特徴を、数を補助的に使って表すときは、座標系を考えます。これは、原理的には2方向に長さを測ることです。しかし、明確に座標系の考え方を使うようになったのは、技術の長い歴史から見れば、ほんの最近に過ぎません。直交座標系は、デカルト(1596-1650)に始まるとされています。代数式の特徴を理解する方法の一つは、図に描くことです。また、どのような図形になるかの方に興味を持ちます。しかし、幾何学では、図を先に描いて、それがどのような性質を持つかの方に興味を向けますので、図形に接する態度が代数学とは反対です。初等幾何学で扱う図形は円と直線を組み合わせるだけですので、曲線を扱うときは代数学の助けを借ります。最も一般的に扱うのは一価関数y=f(x)の形です。座標系を使って図に描いたものをグラフと言い、基本的には線図です。面積を求めるなど、幾何学的な図形扱いをするときは、曲線も線分の集合とし、座標軸と平行な線分で境界線を加えて閉じた多角形領域を構成します。立体的な図形を一般的に扱うときは、二方向のグラフに分解できるような曲面をz=f(x,y)の形で考え、座標平面と平行な面で切り出します。グラフの形は、S字形のように折り返しになる場合を扱いませんし、y軸と平行に近くなる場合も避けます。グラフは、y座標の正の側だけでなくx座標軸を超えて反対側に出る場合もありますので、負の側の領域は、マイナスの面積を持つとして扱うこともします。
2009.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ