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21. 代数学的図形の計量と作図

21.1 感覚で理解する長さ


21.1.2 長さは順序数で理解している

 我々の日常生活の中では、物の寸法を漠然と理解しているだけであって、寸法を数値で考える、または寸法数値で話をすることは多くありません。ここで言う数値とは、アナログ的な量であって、数学的に言う実数です。不思議に思うでしょうが、寸法は、呼び数、さらに言えばデジタル的な数、つまり、(0,1,2…)のような順序数を使って理解しています。小数表示を使うのは特別であって、単位系を変えて整数表現を使います。例えば、列車の長さを言うとき、車両数の大小で言うのが普通であって、具体的に何メートルと言いません。ゴルフは特別なスポーツであって、距離を常に意識していますが、小数を使うことはありません。実用的な長さの単位は、人の体の寸法を基準とした尺やフィートを使うのが自然です。大きな数から小さな数までの区別は、寸法単位を別に決めた整数表現をします。尺に対しては寸と間(けん)があります。無論、マイナスの寸法表示は使いません。身長を表すとき、以前は、例えば5尺7寸のように言いました。メートル法で言えば1.7mのように小数表示も見ますが、小学生には1メートル70センチのように整数で言います。寸法を測る長さの基準が曖昧であっては困りますので、世界的な規模で共通する標準の長さがメートル法として決められています。この次の課題が、寸法を正確に測ることと、寸法を利用する方法です。
2009.9 橋梁&都市PROJECT

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