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18. 平面図形諸量の合成

18.2 離散と連続の調整


18.2.7 現実に役立つ数値を使うこと

 工業製図で使う寸法数値は、実際にメジャーなどで測定して確認できる数を記入します。例えば、丸い断面の寸法は、外径で与えます。半径では、円の中心位置を確実に抑えることができないことが多いからです。図18.1に示したような、角の丸みを与える場合、4分円の半径の意義があっても、それを囲う矩形の寸法の方で指定します。図を描く場合には寸法数値を元に幾何学的に作図します。逆に、平面図形が与えられて、その座標位置を知りたいことがあります。物差しを当てて座標を眼で読み取るのでは精度に限界がありますので、プロッタを逆に使うような機構を持ったデジタイザが工夫されました。写真測量では、写真に撮影した位置を機械光学装置で追いかけて座標を求めましたが、最近はデジタル写真を使って、パソコンのモニタ上に投影した写真を使うことができます(次ページ図18.4)。このときの座標は、元の尺度に合わせる実数表現の顔を持たせることもしますが、原理的にはピクセル座標です。尺度の精度は、デジタルカメラの画素数で決まります。そうすると、測定された数値をそのまま使うと、幾何学的に正確な条件を満たさないことが起こります。
2009.6 橋梁&都市PROJECT

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