形状設計をするとき、工業製図では、寸法の最小単位をミリメートル(mm)にするのを標準とし、単位記号を付けません。これ以外の、cm, m単位を使うときに単位記号を付けます。表18.2では、種々の丸めと単位表示が混在しています。y座標の寸法は、0.1mm単位で丸めた数で表しています。表18.2の最後の2行では許容値を越えないことを正の整数値で検証しています。数学的に扱うならば、引張応力を正、圧縮応力に負の数を当てるのですが、符号を使わないで言葉を添える方が親切です。これも、広義の丸めと考えることができます。金銭を扱う計算では、負の数を使いません。また、丸めで恣意的な処理が入らないような規則を作ります。数値計算では、丸め次第で、数値に揺れが出ます。許容値との比較に使う数値がぎりぎりの結果になって、僅かに限界を超えることがあります。あまり褒められた話ではありませんが、書類上の体裁を満たすため、そこまでの計算途中の数の丸めを操作して、辻褄を合わせることがあります。技術計算ではすべての計算過程で丸めの規則を立てることができませんので、書類上の数値が僅かでも限界を超えると責任問題になることがあります。この場合には、数字の表す意義を正しく理解し、それを一般の人に説明して納得してもらう努力が必要になります。
2009.6 橋梁&都市PROJECT |